2017年10月1日日曜日

2017.10.1 英語コーパス学会語彙研究会立ち上げのお知らせ

英語コーパス学会語彙研究会(JAECS SIG on Lexicology)


代表:石川慎一郎(神戸大学)
副代表:杉森直樹(立命館大学)

◎SIGの概要

本SIGは,コーパスを用いた英語語彙研究の多角的発展を目指して活動を行います。
現在は,会員の研究背景を尊重しつつ,主として以下の論点について関連研究者の交流の深化と研究の推進を図っています。

1)コーパスを生かした一般語彙選定:いわゆる重要語や核語彙をどのようにしてコーパスから抽出できるか?近年発表されているコーパス準拠の語彙表はそれぞれどのような特性を持つか?GSLの課題はどこにあり,それはどのようにして克服できるのだろうか?今後の語彙表開発において,頻度以外にどのような観点を量化して組み込むことができるか?

2)コーパスを生かした専門語彙選定:一般的な重要語と専門語彙はどのように線引きされるべきか?
AWLの課題はどこにあり,それはどのようにして克服できるのだろうか?専門語彙を抽出するにはどのようなコーパスが必要になるか?
語の持つ専門語彙性は時代の変化のなかでどの程度安定しているのだろうか?EAP語彙表を開発する場合,どのような変数を組み込むべきか?

3)コーパスを生かしたコロケーション研究:コーパスから抽出された単語連鎖といわゆるコロケーションの差はどのように定義できるか?単語連鎖からコロケーションを自動抽出するにはどのような手法がありうるか?
コロケーション研究と語彙研究はどの程度まで相互独立的なものだろうか?

4)コーパスを生かした語彙学習教材・プログラムの開発研究:重要語の自習支援のために,これまでにどのようなプログラムが開発されており,それぞれどのような特性を持つか?今後同様のプログラムを開発する場合,コーパス言語学からどのような貢献が可能になるだろうか?

5)学習者コーパスを生かした学習者のL2語彙習得研究:学習者の使用するL2語彙の質と量はどのようなものか?
学習者の使用する語彙は学習年数・習熟度等とどの程度連関しているか? 語彙力は習熟度の予測因子になりうるだろうか?
語彙習得におけるある種の壁はどの段階に存在するのだろうか?
学習者の語彙習得をモデル化する場合,個人差という要因をどのように統制できだろうか?
学習者の語彙習得のモデル化を行う上で,コーパス言語学の手法に心理言語学的な実験手法をどのように組み合わせることができるだろうか?

6)認知言語学・辞書学などの関連理論を背景とした多角的な語彙研究:認知心理言語学の枠組みから,母語話者・学習者の語彙使用についてどのようなことが言えるだろうか?
コーパス語彙研究の成果を辞書に反映する際,これまでにどのような工夫が行われており,また,今度どのような工夫がありうるであろうか?

◎SIG発起人(創設メンバー)
1阿部真理子(中央大) 2石井 康毅(成城大) 3石川慎一郎(神戸大) 4内田諭(九州大) 5小屋 多恵子(法政大) 6佐藤恭子(追手門大) 7杉森直樹(立命館大) 8住吉誠(摂南大) 9能登原 祥之(同志社大) 10長谷部陽一郎(同志社大)

◎メッセージ
本SIGは誕生したばかりで,本格的な活動はこれからです。以上のような論点にご興味をお持ちの皆様のご参加をお待ちしています。希望者は,石川慎一郎(神戸大)まで,お知らせくださいませ。